伝統技術と最新技術の融合が強み
平安時代に伝来した暖簾は、日本のお店の軒先に飾ることで
開店をしている証明として使われています。
そんなのれんを世に広めたのが染色技術が発達した京都であり、
その京都で老舗メーカーとして製造しているのが京都のれんです。
このお店の特徴は、伝統を重んじるだけでなく最新技術にも
積極的に取り入れている点になります。
京都といえば六甲山から流れてくる清らかな水を使うことで、
きれいな染色技術による染め物を世に広めた土地です。
そのためこのお店でも、貴重な環境によって作られた染め物を
熟練の技術者が丹精込めて織るという作業を行っています。
ただ職人が丹精を込めて織るという作業は経験が大事なので、
業師が織ったのれんは値段が高くなってしまうのです。
そこで誰でも気軽に楽しんでほしいという環境を作るために、
最新技術のシルクスクリーンやインクジェットプリントなど
生産性を重視した技術も取り入れています。
このように伝統に縛られず、常に新しい技術の発掘と挑戦心が
100年を超えても地元民に愛される老舗メーカーとして存在
しています。
そんな京都のれんが新しく始めたサービスというのが、
これから先ののれんメーカーが文化として残るための
取り組みです。
それがオーダーメイドで、のれんや風呂敷にお客の要望に
合わせた商品を作るサービスになります。
子どもに興味を持ってもらえるようにする技術
のれんメーカーに限らず、あらゆる産業が生き残っていくためには
人々に興味を持ち続けてもらえる環境づくりが重要になります。
その環境づくりにおいて欠かせないのが、これから文化を
残してくれる子供たちに興味を持ってもらうことです。
子供たちに文化に触れ合う機会を増やすことによって、
将来興味を持った道に進んでもらうことが必要になります。
一度失われた文化は元に戻すのは難しいので、伝統工芸関連は
子供たちに興味を持ってもらえるようにいろいろな取り組みを
しているのです。
京都のれんの場合は、子供たちに興味を持ってもらうために
主力商品の風呂敷に星座を印刷したプラネタリウム風呂敷を
開発しています。
実際にお店ではプラネタリウム関係者からの聞き込みや
星座表を見て、正確な形の知識を有したうえで風呂敷に
染め物にしているのです。
子供たちにとっては、きれいな星座が書かれた風呂敷は
勉強になるだけでなく外に持ち運ぶものとしてかっこいい
ので興味を持ってもらえます。
お店にとっても風呂敷を起点に子供たちに興味を持って
もらえれば文化が廃れることなく未来へ文化継承につながります。
このように事前に予約してオーダーメイドにしてもらえれば、
のれんや風呂敷に様々な可能性を生みだすのです。